五行の土の性質を読み解く!キーワードは中心・養育・安定性

はじめに
五行は、自然界のさまざまな事象を5つの要素(木・火・土・金・水)に分類したものです。
その中でも五行の「土」は、主に中心・養育・安定性という性質があります。五行の土について、そのユニークな性質を解き明かしていきましょう。
目次
五行の土とは?
五行の土の性質

土という五行には、母なる大地のようにすべてのものを支え、育て、結びつける包容力があります。そして、他の四つの要素(木、火、金、水)をつなぎ合わせる中心になります。
そういった特性を持つ土は、他の五行(木・火・金・水)と違い、特定の季節に割り当てられていません。代わりに季節と季節の変わり目をつなぐ役割を果たしています。この季節の変わり目の時期のことを、土用と言います。
以下に、五行の土の特徴3つを挙げました。
中心
土は、他の四つの要素をつなぎ合わせる中心です。物事を円滑に動かし、バランスと調和をもたらします。
養育
土は植物に栄養分を与え、成長を促します。人間関係でも人をサポートし、安心できる環境を作り出せる存在です。
安定性
土は、植物が根を張り伸びていくための土台です。また、安定した地盤が建物をしっかりと支えるように、土は物事を支え、安定させる役割を持っています。
五行の土と関連づけられたもの
昔の人は、自然や身体、そして日常生活にまつわる様々な物事と、それぞれの五行を関連づけました。以下の表に、五行の土と関連づけられた主なものをピックアップしてみました。
要素 | 内容 |
---|---|
季節 | 土用 |
方角 | 中央 |
数字 | 5・10 |
色 | 黄 |
味 | 甘味 |
感情 | 思い悩む |
五臓 | 脾 |
十干 | 戊・己 |
十二支 | 丑・辰・未・戌 |
戊と己について
五行の土には「戊」(つちのえ)と「己」(つちのと)という二つのタイプがあります。陰陽五行説では、戊は陽の土、己は陰の土に分類されます。同じ五行の木でも、その性質には違いがあります。
戊(つちのえ)

大地にそびえ立つ大きな山を想像してみてください。山は植物や動物に生命の場を提供し、森羅万象を支える存在です。
戊の性質を持つ人は山のようにスケールが大きく、人々の中心となり、バランスと安定感をもたらします。現実的で物事の核心に迫り、実用的な解決策を提供することができます。
己(つちのと)

一面に広がる豊かな大地を想像してみてください。土に種を植え、丁寧に世話をすれば、豊富な作物を収穫することができます。
己の性質を持つ人は、豊かな大地のように、周りの人々を支え、育て、成長させる力を持っています。
周囲に安心感を提供し、調和とをもたらします。己の性質を持つ人は目立たなくても、大地のように周囲を豊かにする力を持っています。
土と他の五行の関係は?
土は他の五行(木・火・金・水)とどのように関わっているのでしょうか。他の五行との関係性について、簡単に説明します。

土と木
土と木は、木が土を抑える関係(相剋)です。土は植物(木)が根を張るための土台となり、木の成長をサポートします。ただし木が成長しすぎると、土の栄養分を吸い取ってしまいます。
土と火
土と火は、火が土を生み出す関係(相生)です。具体的には、火が燃え尽きると、後に残った灰や燃えかすが土になります。
土と金
土と金は、土が金を生み出す関係(相生)です。土は金(鉱物や金属)の素材となり、金を育てる基盤になります。
土と水
土と木は、土が水を抑える関係(相剋)です。土は水を堰き止める役割を果たします。逆に水が過多だと、土は流れ去り、水浸しになってしまいます。
五行の土と健康について

五行の土は東洋医学の「脾」と関連しています。西洋医学の脾臓は血液に関連する機能を持つ臓器ですが、東洋医学の「脾」は臓器そのものではなく、体の中の消化やエネルギー生成にまつわる一連の機能のことを指しています。
脾は食べ物を消化し、栄養を吸収し、体のエネルギーを生み出す重要な役割を担っています。
脾がバランス良く機能していると、私たちは元気でいられます。しかしストレスや不規則な食生活などが原因で脾の機能が低下すると、消化不良や食欲不振など、胃腸にトラブルが生じることがあります。
健康でいるためには、五行の土のエネルギーをバランス良く取り入れ、脾の健康を保つことが大切です。
まとめ
五行の土について説明してきました。五行の土は、五行の中心に位置するという特殊な性質を持ちます。そんなユニークな性質を持つ五行の土について、少しでもイメージを掴んでいただけたら嬉しいです。