二十四節気の分割方法「定気法」と「恒気法」について

はじめに
二十四節気は、太陽が1年の間に通る経路(黄道)を24分割して、それぞれの期間ごとに名前をつけたものです。この記事では、二十四節気の二つの分割方法「定気法」と「平気法」について解説します。少し細かい話になりますが、四柱推命の命式の決定方法についてさらに詳しく知りたいという方は、ぜひご覧ください。
目次
二十四節気とは?
天気予報で、「今日から暦の上では立春(りっしゅん)です」というようなフレーズを聞いたことがありませんか?太陽が1年の間に通る経路(黄道)を24分割して、それぞれの期間ごとに名前をつけたものが、二十四節気です。

立春は二十四節気の一つです。なお実際に動いているのは太陽ではなく地球なので、太陽の動きと言っても、あくまでも地球から見た「見かけ」の太陽の動きのことですが。
古代から用いられてきた太陽太陰暦は、月の運行を元に定められた暦です。太陽太陰暦では、1ヶ月の長さを新月から次の新月までの長さ、約29.5日としています。1年(12ヶ月)にすると約354日となり、太陽の1年の周期である約365.4日とは異なります。
これは太陽太陰暦の年を経ていくにつれて、実際の春夏秋冬とズレが生じてくることを意味します。例えば8月が冬になったり、2月が夏になることもあります。
このため、農業など日々の生活を送る上で、季節の移り変わりを知る必要に迫まれました。そこで、導入されたのが二十四節気です。二十四節気は、紀元前5〜6世紀ごろに中国の黄河流域で作られたと言われています。(「文字・歴史を読み解くための暦のはなし」より)

二十四節気は、四柱推命の各柱に「干支」を配置するときの基準になっているため、四柱推命の土台となるものです。例えば年の柱である年柱は、立春で次の干支に切り替わります。
二十四節気は、12の「節気」と12の「中気」から成り立っています。24分割した期間のそれぞれに、「節気」と「中気」が一つずつ交互に配置されています。
名称 | 開始時期 | 太陽黄経 |
---|---|---|
立春 | 2月4日ごろ | 315° |
雨水 | 2月19日ごろ | 330° |
啓蟄 | 3月5日ごろ | 345° |
春分 | 3月20日ごろ | 0° |
清明 | 4月4日ごろ | 15° |
穀雨 | 4月20日ごろ | 30° |
立夏 | 5月5日ごろ | 45° |
小満 | 5月21日ごろ | 60° |
芒種 | 6月5日ごろ | 75° |
夏至 | 6月21日ごろ | 90° |
小暑 | 7月7日ごろ | 105° |
大暑 | 7月22日ごろ | 120° |
立秋 | 8月7日ごろ | 135° |
処暑 | 8月23日ごろ | 150° |
白露 | 9月7日ごろ | 165° |
秋分 | 9月23日ごろ | 180° |
寒露 | 10月8日ごろ | 195° |
霜降 | 10月23日ごろ | 210° |
立冬 | 11月7日ごろ | 225° |
小雪 | 11月22日ごろ | 240° |
大雪 | 12月6日ごろ | 255° |
冬至 | 12月21日ごろ | 270° |
小寒 | 1月5日ごろ | 285° |
大寒 | 1月20日ごろ | 300° |
なお二十四節気を分割する方法は、定まった方法が存在するわけではありません。分割方法として、「定気法」と「平気法」のいずれか二つの方法が用いられています。以下では、「定気法」と「平気法」について、その違いについて解説します。
「定気法」は角度で分割
定気法(ていきほう)は、1年間を「角度」で24等分する方法です。等分された各期間は、15度(360/24)で一定になります。
角度は一定ですが、太陽の軌道は楕円形なので、期間の長さが不均等になるのが定気法の特徴です。
ケプラーの第二法則によると、惑星が楕円軌道で移動する場合、半径の長い所はゆっくりと移動し、半径の短い所は速く移動します。そのため、角度で分割すると、期間の長さが不均等になるのです。

「恒気法」(平気法・常気法)は時間で分割
恒気法(こうきほう)とは、1年間を「時間」で24等分する方法です。「平気法(へいきほう)」や「常気法(じょうきほう)」とも呼ばれます。
1年間は約365.24日なので、等分された二十四節気の各期間は、約15.22日になります。角度が不均等で、期間の長さが一定になるのが恒気法の特徴です。
現在使われているのは?
日本においては、寛政暦(1798〜1844)まで恒気法が用いられていましたが、天保暦(1844〜1872)から定気法が採用されました。
そして現在でも引き続き、定気法が用いられています。恒気法では実際の太陽の運行と合致しない不都合があったため、定気法が用いられるようになったのです。
結局、四柱推命ではどちらを使えばいいの?
定気法と恒気法では、二十四節気の日付も大きく違うわけではないですが、数日のズレが生じてきます。結局、四柱推命では定気法と恒気法のどちらを使えばいいのでしょうか?
書籍やネットの情報などを総合すると、定気法の方が数としては優勢なようです。ただ、恒気法を推奨しておられる方の意見も尊重します。定気法が採用される前の中国では、恒気法に基づいた暦を用いて命式を出していたので、恒気法を用いるべきだという意見です。
このサイトでは、どちらを用いるべきかについてはまだ結論を出しません。四柱推命ネクストでは、どちらの方法でも命式を出せるようにしています。

命式作成フォームの詳細設定の項目から、ラジオボタンでどちらかが選択できるようになっています。デフォルトは定気法です。ぜひデータの検証に利用していただけたらと思います。