海外生まれの命式をどう扱うか?

はじめに
四柱推命の諸問題?の一つに、海外生まれの方の命式をどう扱うかという問題があります。四柱推命は中国で生まれた占いなので、海外生まれの方の命式を扱う場合、一筋縄ではいかない問題が出てきます。この記事では、海外生まれの命式をどのように扱えばいいのか、についてまとめました。
目次
海外生まれの命式をどう扱うか

四柱推命が誕生した数千年前から数百年前までは、中国や周辺のアジア諸国だけで交流が限定されていました。しかし近年ではグローバル化の進展に伴い、海外で生まれた人の命式をどのように扱えばいいのか、という問題が新たに出てきました。
海外生まれの方の命式を出す方法は、大きく分けて以下の2つがあります。
- 海外の現地時間で命式を出す
- 日本(中国)の時間に変換して命式を出す
そして、この二つ以外の主張も存在します。そもそも中国で生まれた占いなので、海外生まれの場合はそもそも占うことはできないし命式を出すこともできない、という主張です。
占うことができないと言ってしまうと身も蓋もないので、この記事では海外生まれの方の命式も出す!という方向で進めたいと思います。
海外生まれの命式の計算方法
四柱推命ネクストでは、上で紹介した二つの方法のうち、1の現地時間で命式を出す、という方法を採用しています。なぜかというと、四柱推命は(見かけの)太陽の位置を元に占う、という原則が根本に存在するからです。
四柱推命では、太陽の位置によって干支が割り当てられ、干支によって命式のエネルギーが変化するという前提がまず存在しています。例えば、子の時間帯であれば子という性質の、丑の時間帯であれば丑という性質のエネルギーが割り当てられます。
そのため、海外現地時間ではなく、日本(中国)の時間に変換してしまうと、太陽のエネルギーの性質にズレが生じてしまいます。

例えばニューヨーク(アメリカ東部時間)の現地時間が正午、つまり午の時間帯だったとします。これを日本時間に変換すると、アメリカ東部時間より14時間進んでいるので翌日の午前2時、つまり丑の時間帯になります。
つまり、日本の時間に変換することで支が変わるので、エネルギーの性質が変わってしまうのです。ということで、現地時間で時柱を割り出す、という方法を当サイトでは採用しています。
海外現地時間ではなく、日本時間で計算したいと言う方は、面倒になりますが、まず海外現地時間を日本時間に変換して、その計算した時刻を入力していただければと思います。
海外生まれの命式の具体例
海外生まれの命式の具体例として、ドナルド・トランプ氏の命式(1946年10月14日 午前10時54分 ニューヨーク生まれ)を出してみました。

現地時間の午前10時54分で計算しているので、時柱は己巳になります。
日付変更線について
ここから先は余談というか、少しマニアックな話になります。特に読む必要はありませんが、興味のある方はご覧ください。
教えて!gooに、日付変更線の前後の地点で生まれた場合の命式はどうするのか、という疑問を呈する方がいらっしゃいました。2014年の質問です。それについて、以下で述べたいと思います。
『出生地が日付変更線上にある場合を想定すると、日付変更線の前後によって日柱が変化し、その結果、同じ時刻であっても時柱まで異なってしまいます。これは、出生地が1メートルずれるだけで、24時間違いの全く別の命式になりうることを意味し、明らかにおかしい事態が生じます。』
この質問に対して、実例を出して自分なりに回答を試みたいと思います。
まず、日付変更線というのは、地球上に作成された想定上のラインです。このラインをまたぐと、日付が1日進んだり、遅れたりします。
なぜこのような線が設けられたかというと、あくまでもその土地に住む人たちの生活の都合のためです。

キリバスのクリスマス島(UTC+14)とハワイのオアフ島(UTC-10)の時差は、同緯度にもかかわらず24時間、つまり1日ずれています。この二つの場所でそれぞれ命式を作ってしまうと、同じタイミングで生まれた場合でも、日柱は異なったものになり、時柱もズレてしまいます。
四柱推命はあくまで干支暦に基づいたものです。日付変更線はあくまで人為的に定められた想定上のラインであるので、日付変更線の影響を一旦排除してから、命式を計算する必要があります。
具体的には、日時をUTC(世界標準時)に変換します。UTCに変換した後は、ユリウス日を算出します。そしてユリウス日を干支に変換します。
その結果として、どの場所で生まれたとしても、生まれたタイミングが同じであれば同じ日柱になります。時柱に関しては、現地時間を採用します。同緯度であれば、ハワイであろうがキリバスであろうが同じ時刻に生まれていれば、同じ時柱になります。
この命式の具体的な計算方法は、命式の出し方というページで説明した通りです。東京で生まれた場合でも、ニューヨークで生まれた場合でも、同じ方法で計算しています。