四柱推命

命式の出し方(手動で計算する方法)

命式

はじめに

命式とは?

この記事では、四柱推命の命式の出し方、つまり計算方法について解説します。命式とは、生年月日と生まれた時間から導き出される、個人の運命や性格を表した表のことで、四つの柱(年柱・月柱・日柱・時柱)から構成されます。命式は大運とともに、四柱推命の根幹をなすものです。

命式を出したいだけなら、四柱推命ネクストの命式作成ページのような、自動計算フォームから簡単に出すことができるので、わざわざ計算方法を学ぶ必要はありません。

また、万年暦(まんねんれき)という書籍を参照し、干支を当てはめていくことによって、命式を比較的簡単に出すことができます。ちなみに万年暦を買わなくとも、四柱推命の入門書の末尾に、万年暦のデータが掲載されていることが多いです。

ただ、命式というものがどういう仕組みで作られているのかを知ることで、四柱推命に対する理解をより深めることができます。この記事では、自動計算フォームや万年暦を使わずに、命式を出す方法を解説していきます。ちょっと面倒ですが、命式を自分で出す方法を学んでいきましょう!

目次

以下では、四柱推命の命式の出し方について、順を追って説明します。なお、命式の計算方法は、下で紹介する方法以外にも存在します。以下の方法は、あくまでも一例です。

なお、実際にもっと正確な命式を出そうと思えば、均時差地方時差などの調整を加える必要があります。ただ、それだと話がややこしくなるので、ここではとりあえず無視します。均時差や地方時差については、以下の記事をご覧ください。

誕生日時の調整(地方時差・均時差・サマータイム)について

以下での計算では、具体的な生年月日として、1994年7月5日 21時5分生まれ(大谷翔平さん)という例を用いています。

1. 準備するもの

まず、以下のものを準備します。

  • 生年月日と生まれた時刻
  • 六十干支表
  • 電卓

生年月日と生まれた時刻

生まれた時刻がわからない方は、仮の時刻(例えば正午)を使います。

六十干支表

六十干支表は、六十干支とその番号が載っている表です。六十干支表はWikipediaにも載っています。

電卓

簡単な計算に電卓を用います。電卓がなくても、Google検索数式を打ち込めば、電卓の代わりになります。

2. 下準備

次に下準備として、以下の情報を事前に割り出しておきます。

  • 誕生日はその年の立春の前か後か?
  • 誕生日はその月の節入り日の前か後か?
  • 誕生日のユリウス日は?

立春

その年の立春前に生まれた場合は、前の年に生まれたとみなすので、西暦年の数字から、1を引きます。国立天文台のWebサイトに、その年の立春の日が載っています。立春は毎年2月4日前後です。

節入り日

節入り日というのは、節気の始まりのことです。その月の節入り日前に生まれた場合は、前の月に生まれたとみなすので、月の数字から1を引きます。例えば12月1日の場合は節入り日前なので、12から1を引いて11とします。

大まかな節入り日に関しては、以下の表でわかります。節入り日前後の微妙なタイミングの場合は、国立天文台の暦要項で正確な時刻を調べることができます。

節気節入り日
立春2月4日頃
啓蟄3月5日頃
清明4月5日頃
立夏5月6日頃
芒種6月6日頃
小暑7月7日頃
立秋8月7日頃
白露9月8日頃
寒露10月8日頃
立冬11月7日頃
大雪12月7日頃
小寒1月6日頃

ユリウス日

ユリウス日は、紀元前4713年1月1日正午を基準日として、基準日からの日数を数えた数値のことです。ユリウス日は、同じく国立天文台のページで調べることができます。できるだけ正確なユリウス日を割り出すために、時刻も入力してください。

3. 干支の計算

ようやく準備が終わったので、次は干支の計算です。四柱推命は名前通り、四つの柱から成り立っています。年、月、日、時(時間)の四つです。この四つの柱に、六十干支のいずれかを当てはめて命式を作成します。

命式の上の段にはが配置されますが、これを天干と呼びます。下の段にはが配置されますが、これを地支と呼びます。以下では、4つの柱ごとに分けて、その計算方法を記していきます。

年柱の求め方

以下のような手順で年柱を求めます。下準備でやりましたが、立春前生まれの場合は、西暦年から1を引いた数字を用います。

  1. 誕生日の西暦年から3引きます。
  2. その数字を60で割り、余りを出します。
  3. 出した余りの数字を六十干支表に当てはめて、干支を割り出します。余りがゼロの場合は、60番目の干支(癸亥)を当てはめます。

計算式

X = (Y - 3) % 60

Yは西暦年、%は余りの記号です。

具体例

誕生年が1994年の場合の具体例です。

  1. 1994 - 3 = 1991
  2. 1991を60で割ると余りは11
  3. 六十干支表を見ると11番目の干支は甲辰

従って年柱は甲戊となります。

月柱の求め方

以下のような手順で月柱を求めます。下準備でやりましたが、節入り日前生まれの場合は、生まれた月の数字からから1を引いた数字を用います。

  1. 誕生日の西暦年の下一桁を取得します。
  2. 下の表を参照し、西暦の下一桁から数字(マジックナンバー)を求めます。
  3. 2で求めたマジックナンバーに月の数字を足します。合計した数字が60以上になったらその数字を60で割り、その余りの数字を用います。
  4. 3で求めた数字を六十干支表に当てはめて、干支を割り出します。余りがゼロの場合は、60番目の干支(癸亥)を当てはめます。
西暦年の下一桁マジックナンバー
1か625
2か737
3か849
4か91
5か013

具体例

誕生年が1994年7月5日生まれ(節入り日前)の場合の具体例です。

  1. 西暦の下一桁は4なので、マジックナンバーは1
  2. マジックナンバーの1に、月の数字6(節入り日前なので1を引く)を足すと7
  3. 六十干支表で7番目の干支は庚午

従って月柱は庚午となります。

日柱の求め方

以下のような手順で日柱を求めます。日柱を求めるには、上の手順で求めたユリウス日を用います。

  1. ユリウス日に0.5を加えます。
  2. 1で求めた数字に、50を足し、さらに60で割ります。余りの小数点以下の数字は切り捨てます。
  3. 2で求めた数字を六十干支表に当てはめて、干支を割り出します。余りがゼロの場合は、60番目の干支(癸亥)を当てはめます。

計算式

(J + 0.5 + 50) % 60(小数点以下切り捨て)

Jはユリウス日、%は余りの記号です。

具体例

誕生年が1994年7月5日生まれの場合の具体例です。ユリウス日は2449539.37917です。

  1. 2449539.37917 + 0.5 = 2449539.87917
  2. (2449539.37917 + 50) % 60 = 29.37917(小数点以下切り捨て)
  3. 六十干支表で29番目の干支は壬辰

従って、日柱は壬辰となります。

時柱の求め方

以下のような手順で時柱を求めます。

まず、日干(日柱の天干)ごとに割り当てられた数字を以下の表から求めます。

日干数字
甲・己0
乙・庚1
丙・辛2
丁・壬3
戊・癸4

次に、時間帯ごとに割り当てられた数字を以下の表から求めます。

時間帯数字
23〜1時1
1〜3時2
3〜5時3
5〜7時4
7〜9時5
9〜11時6
11〜13時7
13〜15時8
15〜17時9
17〜19時10
19〜21時11
21〜23時12

そして、日干の数字に12を掛け、時間帯の数字をかけます。その数字を六十干支表に当てはめて、干支を求めます。

計算式

X = (D * 12) + H

Dは日干の数字、Hは時間帯の数字です。

具体例

1994年7月5日 21時5分生まれの場合の具体例です

  1. 日柱の天干はなので、日干グループの数字は3
  2. 21時台生まれなので、時間帯の数字は12
  3. 日干グループの数字3に12を掛け、時間帯の数字12を足すと48
  4. 六十干支表で48番目の干支は辛亥

従って、時柱は辛亥となります。

3. 四柱の配置

これで、全ての柱を割り出すことができました。年柱、月柱、日柱、時柱に該当する干支を割り当て、四柱が完成します。

大谷翔平さんの命式
大谷翔平さんの命式

大谷翔平さんの命式(四柱推命ネクスト)

まとめ

ここまで四柱推命の命式の出し方について解説してきました。やはり手で計算するのは結構大変でしたね。万年暦やソフトウェアの自動計算フォームを使えば簡単なのですが、手計算で命式を出すのは結構面倒というのがお分かりいただけたかと思います。

なお、四柱推命は命式を出したら終わりというわけではありません。次は大運を計算する必要があります。大運の計算方法については、以下の記事で解説しています。

大運の出し方(手動で計算する方法)

【記事作成・監修】白川流清
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